『井上ひさしの憲法指南』(岩波現代文庫)


憲法記念日に成人式(20歳の集い)を行う川西町の叡智を誇りに思う。

井上ひさしが国民学校5年生だった頃、日本人男性の平均寿命は23.7歳だった。

つまり、今日このフレンドリープラザに集った皆さんはあと3年ほどしか生きられなかったのだ。

 

 

非戦の誓いがどれほどかけがえのないものか。

井上ひさしは生涯を通じてこれを訴え続けてきた。

数多くあるその発言のなかで最も力が入ったのが、地元置賜農業高校「100周年記念講演」(2001年11月17日、すなわち67歳になった翌日)である。

「世界の真実と中村哲さんのこと」の題で『井上ひさしの憲法指南』(岩波現代文庫)におさめた。

これぞむずかしいことをやさしくおもしろく。20歳の記念にお薦めの一冊。

 

文・井上恒(いのうえ ひさし)