「らんまん」クライマックスへ向けていよいよ快調、ご同慶の至りです。

今回の“朝ドラ„は、よし、今日も一日やるぞ、と前向きになれてはなはだ気持ちが良い。

 

ご存知でしたか、井上ひさしが「牧野富太郎博士の一生」をラジオドラマにしておりました。

1960年11月3日文化の日、NHK第二9時15分~10時放送でした。

「花を愛して90年」と題されています。山田清、須永宏、南美江、内田稔などが出演しました。

自伝をもとにしているので、家継を望む厳格なお祖母さん、帝大教授との確執、よき妻を得られたこと、借金取りが来た合図の赤旗、など基本的なストーリィは一致します。

長田さんが井上ひさしから受け継いだものは端正な、そして明るい脚本術だけではなかった。

でもこんなことご存知でしたか。すばらしい縁だと思います。

ついでに、上山明博氏が今年上梓した本の副題「花と恋して九〇年」というのもこれも平仄が合いすぎて怖い。

なんだかあの世から井上ひさしの念波が届いてはいませんか。

では、今後のよりいっそうのご活躍をお祈りしております。

 

 

遅筆堂文庫 井上恒 拝

敬具